出版科学研究所
コラム
- 分冊百科ってなんだろう?
- 2006/10/10
- 「週刊○○をつくる」「隔週刊○○コレクション」といったタイトルの出版物が、ここ数年で急速に増えてきました。これらは「分冊百科」あるいは「パートワーク」などの名前で呼ばれる出版物です。“ワンテーマ”で、定期刊行物ながら“完結が予定されている”という特徴があります。
- 分冊百科は1960年頃のヨーロッパで、百科事典をより購入されやすくするために“分冊”したものが起源といわれています。日本での分冊百科第1号は、日本メールオーダー社から1970年に創刊された『週刊アルファ大世界百科』。以降、日本でも毎年数点ずつが創刊されてきましたが、2002年より創刊点数が急増、20点を超えるようになりました。
- 2006年の創刊点数は、9月末時点で19点。以前に創刊されたものを含む9月末現在刊行中の銘柄数は、35点となっています。
分冊百科は出版社や出版取次会社によって、様々に呼称されています。
- ◎デアゴスティーニ・ジャパンでは「パートワーク」
◎トーハンでは「ワンテーママガジン」
◎日本出版販売では「ファイルマガジン」
◎朝日新聞社では「週刊百科」
◎小学館では「ウイークリーブック」「アーカイヴス」
◎学習研究社では「グラフィック百科」
- 百科事典をテーマやジャンルなどの「パート(部分)」ごとに「ワーク(再編集)」する、即ち「パートワーク」が原点であり、ヨーロッパ流の呼び名。いまの日本では単に「分冊百科」と呼ぶことも増えてきたので、当所でも便宜上その呼称で統一しています。